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Mayucove's NEWS / BLOG

お米の栽培日誌 2025.07.03

田植えが終わりましたー!!

2025年、日本社会がお米騒動で揺れる中、マユコベでは田植えを終え、いま余韻に浸りながら、振り返っています。

今年の田植えは一味違いました。
すべて『手植え』です。もはや役所の統計にも入ってこないような、令和のこの時代に手植えを選び、自然農園マユコベのお米作りの新しいステージとして約1ヶ月、植えつづけました。

体の体調は万全です。心も充実しています。
焦りもなく、諦めもなく、常に前向きに植えられました。

手植えに切り替えた、一番のきっかけは何だっただろうか。

旭一号という、他の品種よりも太く立派に育つ稲があります。10年続けたマユコベの田んぼも自然の循環により、かなり土が肥沃なところが出てきました。昨年、この旭一号が、ある田んぼで大きく倒れました。収穫が辛くなるほどに。
栽培途中から、稲と稲の間(株間)が狭く、暗くなり、風通しも悪くなり、弱そうな姿。原因はいろいろあるだろうけど、ひとつには、田植え機を使う限りこの株間はこれ以上広げることができないということ。機械を使うには機械の都合があるのです。
もっとすばらしく元気に育てることができるかもしれないのに、それができないもどかしさ。

加えて、毎年、田植え機やトラクターに1-2ヶ月間乗り続け、体はしんどいし、機械に動かされる中で無理をし、ときに機械は故障したり、スケジュールに滞りが出るとストレスを抱える。
毎年田植えが終わってしまえば、「あーつかれた!でもよかったこれで安心!」とか言って、心地よさを見つけてしまうのですが、どこか、もっと丁寧に「稲」と向き合ったり、植えたりできないものかなと感じていました。

機械から少し離れてみるということ
もっと稲と丁寧に対話すること
自然をさらに見つめるために

そんな気持ちがふつふつと湧き出て、今年は手植えに至りました。
その結果ですが、まさにその通り。
上に挙げたこと以外にも、

生き物の世界と間近で触れ合えたこと
田んぼを訪れる人たちの田植えへの気持ち

が感じられて嬉しかった。
お手伝いというよりも、田植えで体が整うんですよーとか、またある人は、田植えめっちゃやります!というその人の中での不思議なチャレンジ精神が発揮されたり、実際かなりそういった助けによって大幅に予定よりも植えられた面積が多くなりました。

田んぼには生き物がたくさん住んでいます。
簡単に視認できる小動物から、それらの餌となる小さな生き物や有機物、そして土の中にもたくさんの微生物。
地上でも地下でも、1種類の生き物が絶滅すると、その影響は計り知れないものかもしれない、というバタフライエフェクトという考え方があります。
現代の農業は平気にそれらを破壊したり、操作できると信じています。
自然生態系の多様性、それは意図的になにかの生き物が多い状態ではなく、自然循環の輪がしっかりとつくられ、全体のバランスが整っていること。
一般の田んぼでも、ちらほらと生き物は見えますが、その種類の少なさ、もしかしたら見えない地下ではさらに生き物が少ないかもしれません。

今年、毎日のように田んぼの土と触れることでたくさんの生き物、土の感触に触れました。自然農園マユコベも10年が経ち、土の豊かさが目に見えます。自然の循環の輪はどんどん大きく広がっています。自然の中において「人の手」がどのような意味を持つのか、これが鍵です。人間なんか居ないほうが地球には良いのだろうか。いや、それは違うはずだ。地球をケアするための生き物の一つとして、人は存在するんだと、田んぼから感じられるように、丁寧なお米づくりを続けられたらと考えています。
7月の、田植えが終わったまだこのような時期に、このような文章を書いてしまいましたが、収穫はまだ先です。

たくさんのサポート、応援ありがとう!今年の秋をお楽しみに!
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