踏み込み温床と自然の循環 

 

 

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最近踏み込み温床をつくりました。

これは落ち葉を主体とした有機物(微生物に分解されるもの)を積み重ねて、踏み踏みし、水を加えてつくる温床です。

敷いた落ち葉をぎゅっぎゅっと足で踏み込み、水をかける。何度も繰り返します。

温度は有機物の分解されるときに出る熱を利用します。

 

初めて作りましたが、とても楽しかったです。

 

この落ち葉は家の敷地内と実家に溜まっている大量の落ち葉を利用しました。

多すぎて疎まれる存在。燃えるゴミに出されたり、燃やされたり。。

数日間で集めて温床に利用しました。

☆ひとつめの自然の循環です。

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今回はそのほかに鶏の糞(鶏糞)も使用しました。

うちには鶏が数羽いますのでふんも毎日でます。

自然農園マユコベでは動物性堆肥を利用しないのですが、この踏み込み温床はキッチンガーデン。

そんな言い訳よりも、本当に大事なことは、ふんもごみではなく利用できるということです。私たちの生ゴミも利用できますね。(生ゴミ堆肥)

☆ふたつめの自然の循環。

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ではなぜ自然農園マユコベでは動物性堆肥を利用しないのでしょう。

 

大きな理由は

①農業に利用されるふんは主に牛や鶏、豚からですが、それら家畜は現代では薬漬け(抗生物質)にされている。その排出物であるふんに安全性が見いだせない。

②現代の農業では(有機・一般関わらず)、家畜糞を大量に畑や田んぼに入れすぎ。

です。

 

1ですが、近年家畜に対する抗生物質の大量摂取が問題になっています。この問題は薬剤耐性菌についての議論(オバマ元大統領の大統領令にありましたね)ですが、このほかにその抗生物質の家畜糞への残留も見逃せません。家畜糞への残留はまちがいなくあると様々なレポートで提出されています。間違いのない丁寧な堆肥作りの過程では残留抗生物質は0に近くなりますが、農家手作りの堆肥は生ふんに近いものや完熟していないものも本当に多々あります。

いろいろ議論はあるでしょうが、予防原則に従って使わない方がいいかと思いました。

 

次に2ですが、有機農業や一般農法(化学肥料農薬使用の農法)では家畜糞を大量に田畑に使用します。主に堆肥化して使用しますが、大量です。

家畜糞(堆肥)は化学肥料の利用を減らすための代替案で、きちんと栄養分析的に代わりにするためには大量に使用するしかないのです。

本当の堆肥の利用目的は栄養素の補充ではなくて微生物相の活性化なのだけれど。

家畜糞や堆肥を理解しないで使用する農家が異常に多い。そのせいで畑には有害菌もいるし、ふんの出所の家畜からの有害物質もすべて畑に(周辺水脈にも)流れます。

においもいやです。徳島では夏場に町中異臭がするほどです。

 

長くなりましたが、

これらの理由あって自然農園マユコベでは動物性堆肥を使いませんとわざわざ書いています。

なぜならすこしでも使うと(うちの鶏のふんでも)、表示上はこれら農家と同じ栽培になってしまうからです。表示や認証は使用量が規定枠内だったら、1も100も質が違っても、表示上は同じなんです。それが「認証」や「表示」の欠点ですね。

 

今回のテーマ踏み込み温床ですが、うちのキッチンガーデン(家や周辺も含めた)は自然の循環を目指して鶏の糞も使いますが、

(ちなみに私たちの鶏は、自然栽培のお米と米ぬかと野菜しか食べさせていません)

自然農園マユコベでは使っていないし、これからも使いません。

この温床からできる堆肥もキッチンガーデンで全量利用します。

 

仕事として、自然栽培の農業。

趣味として、家庭でのパーマカルチャーの追求。

 

なんという贅沢なんでしょう。

 

 

自然農園マユコベ かわさきまさと

 

 

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